女性の育児と仕事の両立するためには4つの考え方を意識する

子育て

育児はママさんだけではなくパパさんも一緒になって育児や家事を行う家庭が増えていき、イクメンという言葉も生まれました。ただ、そんな社会環境になっていたとしても、ママさんの悩みとして育児と仕事の両立の難しさが上位に上がっています。

人事の仕事をしていると、このテーマにいつももどかしさを感じます。担当の立場で言うと、国や社会制度は少しずつですが整えつつあります。ただ、社会全体の考え方が追いついていないということが根底にあると考えます。そこで、一人一人が4つの考え方を意識することが大切です。

  • 効率よく集中して働く
  • 休みの日は仕事を考えずにしっかり休む
  • 男女平等の働きをする
  • 個々の仕事は担当者に任せる

そして、仕事を休むことに抵抗を感じないように意識をかえることが必要です。

ここでは、育児と仕事の両立がどうして難しいのか、そして意識を変えるには何が出来るのかを考えてみます。

なぜ、仕事を辞めるのか

この前、女子アナが育児の為に引退するニュースがありました。女性はどうして仕事を辞めなくてはならないのでしょうか?

そうですね。子育てには不向きな会社の考え方があります。特に「お客様は神様です」とする客=神とする考え方が今でも強く残っていて「お客様の為には休むことが出来ない」「残業しなくてはならない」となり、結果的に過酷な労働環境を作っていると考えられます。

また、男性は仕事、女性は家庭という考え方が根底にある日本では、家庭で何か突飛なことがあると、女性が休む傾向が多く見受けられます。

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女性が仕事を辞める理由

さて、少し前の資料にはなりますが、厚生労働省が発表している「仕事と家庭の両立支援に関する実態把握のための調査研究事業(平成27年度)」の資料から見てみましょう。

最初は、女性が仕事を辞めた理由や両立が難しかった理由について正規雇用者と非正規雇用者に聞いたアンケート結果です。

  • 家事育児に専念するために自発的にやめた・・・正規29% 非正規41.2%
  • 仕事を続けたかったが仕事と両立の難しさでやめた・・・正規25.2% 非正規17.1%
  • 出産・育児と関係ない理由でやめた・・・正規12.4% 非正規5.7%
  • 解雇された、退職勧奨された・・・正規15.7% 非正規13%

「専念するために自発的にやめた」と「両立の難しさでやめた」を合わせると正規雇用で54.2%、非正規雇用58.3%と半分以上という結果となっています。

女性の社会進出は国際社会にとっても重要なポイントでもあったため、社会全体で進められてきましたが、実際アンケート結果を見ると日本では全然追いついていません。

その理由のひとつに、日本がデフレ社会があります。デフレによって商品単価を下がり、企業として経費特に人件費を抑えなくてはならなくなりました。その結果、少ない社員の中で最高のパフォーマンスが求められ、子供を持つことでも同様に求められ、結果的に退職する女性が多くなりました。

例えば、看護師の場合は日勤や夜勤がありますが、子育て中のママさんでは、日勤しか働けずまた急な休みもあり、結果的に迷惑がかかる理由で辞めていきます。

ひとつ気になることは、解雇や退職勧奨でも1割以上の女性が会社からの誘導で辞めさせられていることは問題点です。

両立が難しくて辞める理由

では両立が難しくなる理由はどうしてでしょうか。ここでもアンケートから考えてみます。まずは上位3つは次の通りです。

  • 勤務時間が合わなかった・・・正規56.6% 非正規37.6%
  • 自分の体力が持たなかった・・・正規38.6% 非正規30.3%
  • 妊娠、出産に伴う体調不良・・・正規20.8% 非正規34.8%

勤務時間が合わないことが一番なんですね。やっぱり、保育園の送り迎えの時間が間に合わないですものね。

仕事によっては時短勤務ができなかったり、通勤時間が長くて間に合わないことも原因ですね。

「体調不良」もわかるわ。妊娠期間は想像以上に体調が不安定で、仕事も集中できないですから。それに子供が生まれたら夜中に何度も起こされてミルクを上げなくてはならないし、不眠や不休が続くから、体力的に本当に続かないわよね。

そうですよね。会社で働く同僚や上司は頭では理解できても、本当の大変さは正直わかりずらいものですからね。その辺りをフォローする体制作りをしなくてはなりません。さて続きの結果も見てみましょう。

  • 保育園に預けられなかった・・・正規17% 非正規27.3%
  • 育児休業を取れなかった・・・正規17% 非正規24.2%
  • 職場に両立支援する雰囲気がなかった・・・正規34% 非正規16.7%
  • 会社に産休育休の制度がなかった・・・正規22.6% 非正規24.2%

「保育園に預けられなかった」ことについては地方自治体の問題でもありますが、それ以外は企業自身に直結しています。これは制度が整っていないか、あるいは制度はあるが会社の風潮が追いついていないことが多く存在している結果です。

家事と子育て役割分担

次に家事の役割分担を見てみましょう

男性(正社員)側

  • 自分が家事の一部を担っている・・・60.1%
  • 全て妻が家事を担っている・・・18.2%
  • 自分と妻が同程度家事を担っている・・・16.3%
  • 自分が主で妻一部家事を担っている・・・2.8%
  • 全て自分が家事を担っている・・・2.6%

女性側(正社員と非正規社員)

  • 自分が主で夫が家事の一部を担っている・・・正規54.6% 非正規46.2%
  • 全て自分が家事を担っている・・・正規26.3% 非正規47.3%
  • 自分と夫が同程度家事を担っている・・・正規16.3% 非正規5.8%
  • 自分が家事の一部を担っている・・・正規2.4% 非正規1%以下

改めてアンケート結果を見ると、家事のほとんどは女性がメインで家事を担っているんですね。

この結果を見てみると、確かに未だに「女性が家事の全てを担っている」夫婦が多く、特に妻が非正規の場合は約47%と高い数値を示しています。ただ、男性も全く行っていないわけではなく、男女ともに半分程度回答で「家事の一部は男性が担っている」との回答が示されています。特に男女共に正社員の場合、「同程度家事を担っている」とのが同じ16.3%ですので、男性が家事を行う意識は依然と比べては上げっているものの、それでも2割には到達していない結果です。

続いて子育ての役割分担のアンケート結果を見てみましょう。

男性(正社員)

  • 妻が主で自分が一部担っている・・・67.6%
  • 自分と妻が同程度担っている・・・17.8%
  • 妻が全てを担っている・・・11.2%
  • 自分が主で妻が一部担っている・・・2.2%
  • 自分が全て担っている・・・1.2%

女性側(正社員と非正規社員)

  • 自分が主で夫が一部になっている・・・正規59.1% 非正規67%
  • 自分が全て担っている・・・正規17.8% 非正規23%
  • 自分と夫が同程度担っている・・・正規20.3% 非正規9.1%
  • 自分が家事の一部を担っている・・・正規2.4% 非正規1%以下

子育てに関してもやっぱりメインは女性なんですね

ここでポイントは非正規雇用での女性は子育てのウエイトが高い結果が出ています。夫が一部または全て自分が担っている割合を合計すると、全体の9割という結果となっているのはとても残念な結果です。最近では男性の育児がクローズアップされていますが、それでも実態は女性がほとんど育児を行っています。

家事と子育ての役割分担はどちらも女性がメインで男性が補佐をしている状況ですね。ただし、女性が正規雇用であれば男性も同等の役割分担でこなしている結果も見えていますので、今後は男性が家事の意識を変えることが必須であると考えられます。

企業側の問題点

ここまで見てみると、子育てや家事、仕事の考えが男性と女性に多少なりとも意識のズレを感じますね。

そうですね。また、日本では男性側の平均給与が高いこともあり、どうしても男性が仕事、女性は家事という方向に夫婦としても考えなくてはならず、意識だけ変えても現実は難しい状況です。

デフレと最低賃金上昇の問題

デフレにより給与が上がりずらい状況にも関わらず、ここ数年の急激な最低賃金の上昇により、各企業の資金はひっ迫しています。特に今回の新型コロナでも影響は大きく、国の補助ではどうにもいかない状況になっています。

大企業では社員全員にベースアップを行っていますが、中小企業では最低賃金上昇をクリアするだけでも精一杯で、低い人のみベースアップして対応しているのが現状です。

その結果として10年以上働いている社員と新入社員との賃金が変わらない状況となっています。

それでなくても子育て体力も大変なのに、やる気をなくして辞めるのも仕方ないわよね。

企業からすれば、やはり人材不足は否めず、また一番働きが期待される年代が失われることは大きな損失です。

幸福度世界1位の国を見てみる

多くの企業は、管理者側の男性比率は高く、ワークライフバランス関しては特に自分の物差しで考えているため、表面上でしか解決していません。子育てや仕事の両立を徹底するためには、女性の発言する機会をもっと増やし、特に子育て経験がある人を中心に環境を整える必要です。

次のテーマを解決した企業が、ワークライフバランスの取れた環境を手に入れられると考えます。

  • 有給消化100%にするにはどうすればよいか
  • 残業や休日出勤を0にするにはどうすればよいか
  • 誰でも休みやすい環境を作るにはどうすればよいか
  • 子育てしやすい環境で仕事をするにはどうすればよいか
  • テレワークをもっと活用できないか
  • 1人1人の生産性を上げるにはどうすればよいか

この答えを探すひとつの手掛かりとして、幸福度ランキングで世界1位を2度獲得して国フィンランドにその答えが隠されています。

フィンランドというと、北欧で夏は白夜、冬は太陽がほとんど出なくマイナス30度にもなる厳しい環境よね。

イメージとしては、ムーミン、オーロラ、サウナといったところでしょうか。ただ、この過酷だからこそ合理的な考え方があるのです。

仕事は、午後4時から5時には終了し誰しもすぐに帰り、有給消化は100%を誇ってます。また、夏休みも1か月あり、育児休暇も女性はもちろん男性も8割は取得している環境です。そんな状況の中でも1人当たりのGDB(国内総生産)が日本の1.25倍と高いということは、一人一人の生産性が高いことを示しています。

なぜそのようなことが可能なのかというと、無駄な会議は極力避け、長期の夏休みのフォローは学生のインターシップを活用しています。また、各仕事はその担当者が完全に任せることで、無駄な上司からの対応もいりません。当然、メールも上司にCCを入れず、結果のみを報告すればよいという、徹底した合理化することで、一人一人の時間を有意義に使っています。

日本人は完全に仕事を任せることが出来ない性分です。特に管理者という上司は、責任からか部下の仕事を全て把握したがり、結果として、生産性が落ち、部下自身も成長しない環境を作っていると感じています。

詳しくは、堀内都喜子所著書の「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか (ポプラ新書)」をご覧ください。

まとめ

育児と仕事の両立するには、以下の働き方がポイントとなります。

  • 効率よく集中して働く
  • 休みの日は仕事を考えずにしっかり休む
  • 男女平等の働きをする
  • 個々の仕事は担当者に任せる

フィンランドの考え方で「砂の入ったコップに指を突っ込んだ後に抜くと、あっという間に指を入れた穴は砂で埋まってしまう」

これは組織も一緒で、自分が抜けても周りがその穴を埋めてくれるという考え方です。責任能力や存在意義を主張したい日本人男性にはなかなか考えにくいかとは思いますが、これからはそういった考え方も必要です。

徹底した合理化は、コミュニケーションを減らす原因にもなり、また、文化が違うためそのまま真似することは、日本の良さも失わせることにもつながりますが、取り組めるものも数多くあります。

もし今の働き方や子育てに悩んでいたら、フィンランドの働き方を見てみるとその答えがきっと見つかるはずです。

 

 

 

 

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