スノーピークチタンマグは、非常に人気が高く多くの人が一度は欲しいと思うマグカップです。そんなみんなが魅了するチタンマグがどうしてここまで人気が高いのか。それはひも解くにはスノーピーク社自身がこだわった素材と職人プロへのこだわりが見えてきます。
ここではスノーピーク社がチタンにこだわった理由をひも解き、そこからどんなメッセージがあるのかを感じ取れればと思います。
私は15年ほど前からファミリーキャンプを始めました。初めは子供達に自然の不思議や楽しさを感じてもらいたい、そして子供の時期でしか味わえない感動を知ってもらいたいと思い、何もわからないところから始まりました。
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チタンは金属の王様
チタンとは
チタンとは、1790年のイギリスの海岸で発見されたことが始まりで、約120年後の1910年にアメリカの化学者が純度99.9%のチタンを抽出したことに成功し、金属チタンとして誕生した新しい金属です。
金属チタンには大きく分けて純チタンとチタン合金の2つがあります。
純チタンは耐食材料として、国内で最も一般的に使用されています。
また、チタン合金はチタンの用途に応じて性質を向上させたもので、高強度、耐熱性、加工性、生体適合性、耐クリープ性、耐キズ付き性、溶接性、耐熱性などそれぞれに適して改良されてきました。一部チタン合金でも高耐食チタン合金もあり、純チタンでは耐えられない環境などにも使用されています。
チタンのすごさ
チタンのすごさは次の通りです。
- 高強度性
- 耐熱性
- 高耐食性
- 軽量
- 無害、生体適合性
- 不燃性
高強度性
アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度で、ステンレスと比較しても強度ではチタンの方が勝っています。
そのため、ロケットや飛行機の機体構造材やエンジン部品、燃料タンクなどにも使われ、モータースポーツでもエンジン部品で利用されています。
また、バネのように曲げても戻る性質があるため、もどる力は鉄の2倍近くあります。
耐熱性
熱に強く、溶解温度はアルミが約660度、銅は約1080度、鉄は約1530度に対し、チタンは約1660度と鉄よりも溶解温度が高いため、強い耐熱性があります。
高耐食性
酸化物が非常に安定して侵されにくく、空気中の空気に触れる表面が強力な酸化物で覆われていることで(不動態酸化皮膜といいます)、貴金属とほぼ同等の強い耐食性を示します。そのため酸や食塩水(海水)などに対しても錆びることはありません。
軽量
比重は4.51、質量としては鉄と比較して約60%、銅では約50%の軽さです。
無害・生体適合性
金属アレルギーを起こしにくく、人体にやさしい安全な金属です。そのため人工関節にも利用されていいます。
不燃性
国土交通省から不燃材料として認定され、東京ビックサイトや浅草寺本堂の屋根にも使用されています。
チタンのデメリット
- 加工しにくい
- 価格が高い
高強度性で高熱性のため製錬・加工が難しくく、高温の状態ではさまざまな元素と反応しやすくなるため、鋳造や溶接をする場合には、酸素や窒素を遮断する大がかりな設備が必要となります。
この点からもわかるように、製造が難しく大量生産に向いていないひとつの要因となり、結果としてチタン製品は価格が高いということになります。
また接着性にもやや劣っていることもデメリットのひとつに挙げられていますが、逆を返せば表面の汚れやごみなどの付着物を容易に取り除けるというメリットにもなります。
チタンマグの実用性
軽くて丈夫・コンパクト
スノーピークチタンマグは厚さ0.4mmのチタニウムを加工し、軽量なマグカップに仕上がっています。例えばチタンマグ450のシングルウォールでは70g、ダブルウォールでは118gと驚くほど軽いです。
また、収納するときには持ち手が折り畳められますので、コンパクトにリュックにしまえますので、登山者やソロキャンパーなど出来るだけ持ち運びを少なくする人に重宝されています。
ちなみに単純に比較する物でもありませんが、チタンマグ450と同じ容量(450ml)のプラスチックのお椀(100円均一購入)では85gでしたので、プラスチックと同等の重さと考えていただいて良いかと思います。
飲みやすい口当たり
ステンレスやアルミなどは独特の金属臭を感じる人もいるかと思いますが、チタンマグには無用です。
私はどうしてもその金属臭が苦手で、以前キャンプでも重く壊れやすい陶器やガラスを使用していましたが、このチタンマグに出会ってからは金属臭ははもちろん、尖った金属的な口当たりもなく美味しく飲めます。
ミネラルウォーターを飲めばそのことを実感できますので、ぜひ試してみてください。
色々な食材を入れることが出来る
熱いコーヒーや冷たいビールを飲むといった使い方をイメージするかもしれませんが、耐食性の特性を利用してステンレス製では困難な食材も入れることが出来ます。
例えばジュース系などの清涼飲料水です。乳酸飲料、炭酸飲料、果汁ドリンク、スポーツドリンクも全て酸性ですので、酸に弱いステンレス製のマグで放置していると腐食して下手すると金属中毒になってしまいます。
また、味噌汁やスープなど塩分多く含まれている食材を入れると、ステンレス製の容器に傷があればそこから腐食してしまいますし、鉄製であれば傷が無くても腐食してしまいます。ダッチオーブンが良い例です。
チタンマグであれば、耐食性だけでなく生体適合性でもあるチタンですので、酸や塩分がある食材を入れ、そのまま放置していたとしても、安心安全に食事を楽しめることができます。
直火の注意点
チタンマグは、耐熱性のチタニウムが素材のため、直火がOKかと思われますが、ダブルウォールの場合、チタンとチタンの間に空気の層を作っているため、火にかけるとその空気が膨張し破損するおそれがありますので、直火が厳禁です。
ただし、シングルウォールのチタンマグであれば変色や持ち手が高温になるため直火をする場合には注意が必要ですが火にかけて温めることは不可能ではありません。ただし空焚きは止めておいた方が良いでしょう。
メーカーからは「直火や空焚きは変形や変色の恐れがあります」と注意書きがされていますので、最終的には自己責任となります。
チタンのこだわり
チタニウムは鋳型を使っての大量生産をすることが出来ません。
そのため職人一人一人が職人の手によってひとつひとつ生産されていきます。硬くて伸びにくいチタニウムはとても加工しにくく、職人の技がとても重要になってきます。
チタニウムを加工するうえで最もテクニックが必要とさせるのがプレス機の操作です。その操作方法は一朝一夕にはいかず、チタニウムの素材を熟知していなければ、わずかな変化にも気付けません。
職人のカンが最後の仕上がりに大きく関わっていきます。
新素材に立ち向かった燕三条の職人とスノーピーク。
意地とプライドをかけた挑戦の日々。スノーピークの代名詞と言えるほどの人気を誇るチタンマグシリーズ。その背景には、スノーピークの物づくりに対する並々ならぬ情熱とこだわりが詰まっている。軽量であり、金属臭がせず、錆びない。今でこそ当たり前となったチタン素材を使ったマグだが、開発当時はチタンでマグをつくるという発想自体がまだない時代だった。というのも、チタンは硬くて伸びにくく、その特性上、金属の中でも特に加工が難しいとされていたのだ。しかし、その軽さや金属臭のしない特性は、つねに新素材を追い求めるスノーピークにとって、理想とする素材だった。「チタンマグをつくろう」。それはスノーピークと燕三条の金属加工職人が新素材に全力で立ち向かう挑戦のはじまりだった。
出典:スノーピーク品質が生み出されるまで「開発ストーリー」より引用https://www.snowpeak.co.jp/products/
なぜ、スノーピーク社はチタンにこだわったのか。その品質のこだわりが多くのファンを魅了のではないでしょうか。
シングルウォールとダブルウォールの違い
シングルウォールはチタニウム1枚でできているためとても軽量で、熱が伝わりやすく、直火で飲み物を温めることができます。その代わり持ち手も含めマグ自体が熱くなってしまいますので、飲むときには気を付けないといけません。また、冷たい飲み物の場合は結露することもあります。利用としては登山やトレッキングなど荷物を背負って歩くひとに重宝されます。
ダブルウォールは二重構造で空気の層を作っているため、熱が逃げにくく、保温や保冷機能に優れています。また、熱い飲み物を飲む場合も二層のため熱が伝わりにくく、口元が熱くなりませんが直火は厳禁です。
スノーピークチタンマグの紹介
スノーピークチタンシングルマグ
厚さ0.4mmのチタニウムを1枚を加工しているシングルウォールのマグカップです。軽量にもかかわらず丈夫さが特徴で、口元が丸くカール状に作られていますので、尖った感触はなく優しい口当たりです。
スノーピークチタンダブルマグ
チタン製のダブルウォールのマグカップです。二重構造のため、氷は溶けにくく、保温性も抜群のため、冷たくても温かくてもいつまでも美味しくいただけます。
シングルウォールでは熱い飲み物を入れた場合、口元が熱くなることがありますが、ダブルウォールでは熱くならないので安心です。厚い口当たりで心地良くフィット感があります。
450㎖のサイズでは、スープなどの食事を入れるのもオススメです。
まとめ
スノーピークチタンマグをひも解くとスノーピーク社が素材へのこだわりだけでなく、実際に使う私たちにとって、老若男女問わず誰もが使い心地がよく機能しやすい、そして安全や安心がもうひとつのこだわりなのではないかと考えています。
その結晶のひとつがスノーピークチタンマグではないでしょうか。
人気の理由はスノーピークというブランド名だけではなく、ものづくりにこだわった職人が新たなリピーターを生むことで一過性ではなく継続的に人気が続いてる、そのことが一番の要因です。
スノーピークはどれも高くなかなか手が届かない製品ばかりではありますが、チタンマグを手にとって肌で感じていただき、是非スノーピークの思いを知っていただければ思います。
最後に、キャンプ初心者にとってどんなグッツをそろえればよいかわかりやすく紹介してくれるAmazon「キャンプ初心者ストア」を紹介しておきます。
それではまた!
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