SOTOステンレスダッチオーブンの一番の魅力は、メンテナンスいらず。購入後のシーズニングは不要で、使用後は洗剤でジャバジャバ洗ってそのまま放置してOK。
厚さ4㎜のステンレスを加工したオールステンレス。その加工は鋳物技術では一番と称されている新潟県燕三条で作られており、サイズは8インチ・10インチ・12インチ・10インチハーフの4種類と使う用途や通常使用する人数によってさまざまあります。
初心者、にわかキャンパー、めんどくさがりやの性格、またキャンプ以外でも使いたい方には是非おすすめです。SOTOステンレスダッチオーブンのすばらしさと魅力を紹介します。
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ダッチオーブンとは
起源
SOTOのダッチオーブンを紹介する前に、そもそもダッチオーブンについてお話します。
もともとはヨーロッパで使われた調理器具のひとつで、その当時は暖炉で調理する屋内用でした。そこからアメリカへ渡り(オランダ人が持ち込んだという説もあり)、西部開拓時代に屋外で多く使用する用途として今のように形が変化し、どんな場所でも様々な調理ができる万能鍋へと進化してきました。
このダッチオーブンの特徴は、普通の鍋と違いオーブンとしても使用できる点から、今ではキャンプに多く利用されています。
語源
ダッチオーブンは英語名ですが、オーストラリアではキャンプオーブン、フランスではスコットと呼ばれています。
語源は諸説あり、オランダ人が売り歩いた鍋という説やオランダ人が加工した技術などオランダ人を意味する語源やイギリス人の「もどき」という意味で「ダッチオーブン=オーブンもどき」と呼んでいる説があります。
ちなみにイギリス人はオランダ人のことをダッチと呼び、とてもネガティブな時の表現系として広く使われています。よく差別用語としても捉えられていて、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(プレイディみかこ著)の作品の中にも描かれていますので、興味のある方は一度読んでみて下さい。
素材
ダッチオーブンは鋳鉄(ちゅうてつ)といって、皆さんがよく知っている鉄(Fe)を使った鋳物製品全般のことです。
学術的には、炭素とケイ素を含む三元合金のことです(難しい話になりましたが)。要するに鉄のことですので、常にメンテナンスをしなくてはならず、ほったらかすと錆びてしまいます。
ダッチオーブンの素材には他にもアルミニウム合金や鋼板製・ステンレスのものがあります。
使用
形状が鍋の形の為、無水鍋や圧力鍋と勘違いされやすいのですが、先ほどもお伝えしたように鍋の形をしたオーブンとして使用ができます。
もちろん鍋としても普通に利用できますので、煮る、揚げる、焼くことができ、またサツマイモなどを蒸したり燻製もできます。
そして上に炭火を置くことで、上下から同時に加熱しオーブンと同じような状態となり、ローストチキンやパン、ケーキが作れる万能の調理器具です。
メンテナンス
購入後はまずシーズニングといって意図的に黒サビを発生させることで鍋の腐食を防ぎます。簡単ですがシーズニングの方法をウイキペディアより参照しました。
- 錆止めオイルを、洗剤を使って丁寧に洗い落とししっかりと乾燥させる(新品時のみ)
- 鍋と蓋に食用の植物油(菜種油、大豆油、オリーブ油、グレープシード油など何でも良いが、ひまし油は不可)を薄く塗り、30分から60分ほど火にかけて熱し、自然冷却させる。
- この作業を2~3回繰り返すこともある
- 鉄臭さをとるため、鍋にネギやショウガなどの香りの強い野菜クズを入れて炒める
- これを2~3回繰り返すこともある
- 洗剤や金属たわしは使用せずにスポンジや亀の子たわし等で洗い、火にかけて空焼きして乾燥させる。
出典: 「ダッチオーブン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2019年9月23日(月)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3
詳しい方法は検索すると丁寧にやり方を写真付きで説明してくれています。
キャンプに使わない時は食物油を薄く塗り、新聞紙を入れ湿気がこもらないように風通しの良い場所に保管します。そして、改めて使用するときは一度表面を洗剤で油脂分を取り除きます。
ただし、鋳鉄で作られているダッチオーブンは洗剤は不可ですのでご注意ください。他にも熱い状態で水をかけると割れる危険性があるため、冷めてから洗うようにしてください。
こだわり
西部劇にも登場するダッチオーブン。ワイルドな男の豪快な料理にこの重いダッチオーブンを使いこなすこと男性としては憧れであり、手間暇かけてひとつにこだわるキャンパーにはとても人気がでました。
その反面、女性からは重量感と手間のかかる面倒くささ、キャンプ以外に使えないと3重苦から、現実的に考えにくく、あまり受けはよくありませんでした(最近ではキャンプの流行りで変わってきましたが)。
ということで、ダッチオーブンを我が子のように手間暇かけ、本物にこだわりたい方はぜひ鋳鉄タイプをおすすめします。
SOTOステンレスダッチオーブンの魅力
私は10年以上、12インチのSOTOステンレスダッチオーブンを愛用しています。なぜ、これを選んだかというと、「家で普通に使いたい」との強い願いがうちのママさんからあり、そこからステンレス製のSOTOに一目ぼれ。5人家族ということもあり12インチの一番大きなダッチオーブンを購入しました。
今では、キャンプの時はもちろん、普段使いとしてカレーや冬の鍋物はいつもこのダッチオーブンが活躍しています。また、家庭で簡単に出来るおつまみ用の燻製を作っています。
魅力
まずはSOTOステンレスダッチオーブンの魅力の一覧です。
SOTOステンレスダッチオーブンの魅力
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メンテナンスフリーで初心者に最適
ダッチオーブンは玄人向きのイメージが強いのではないでしょうか。
購入後初めにシーズニングを行わないといけなかったり、洗剤を使って洗ってはいけないなど、禁止事項など縛りが強く、初心者には抵抗があります。
またダッチオーブンを本格的に使用しているキャンパーは「ダッチオーブンは育てる面白さがある」という表現を使います。これが、にわかキャンパーには手出しできないイメージを作り上げてしまいます(個人的な見解もありますが)。
しかし、このSOTOステンレスダッチオーブンは買ったその日からシーズニング不要のためすくに使え、それでいて本格的にダッチオーブン料理が出来ます。初めてダッチオーブンを使いたい方にはぜひおすすめで、ダッチオーブンをこだわりたくなったら、改めて鋳鉄にチャレンジしても良いかと。
ただし、使っている私からすると鋳鉄タイプと遜色ないのでわざわざ買い替えなくても良いのではと思います。
サビに強いため作り置きができる
ダッチオーブンはサビとの戦いです。
保管状況やメンテナンスの仕方が悪いと次のシーズンでは使い物にならないこともあります。また、水分と塩分が苦手な鋳鉄では作り置きをしてそのまま放置すると腐食してしまいダッチオーブンも食材もダメになってしまいますので、全て食べきるか他の鍋に移し替えなくてはならりません。これがキャンプの時は大変なのです。
しかしSOTOのダッチオーブンはオールステンレスの為、サビに強く、料理を作った後はそのまま放置しても大丈夫です。そして、通常の鍋と同じように冷めてからまた火をつけて温められることが出来るのは魅力です。
耐久性がある
鋳鉄のダッチオーブンは急激な温度変化に弱く、熱い状態で一気に冷やそうと水をかけると割れる危険性があります。
しかし、SOTOのダッチオーブンは1枚のステンレス銅材=フェライト系ステンレスSUS430系からプレス製造していますので温度変化によって割れることはなくまた落としたとしても割れることはありません。
またスピン加工で研磨していますので、研磨ならではの品質感があります。
【フェライト系ステンレスSUS430系とは】
フェライト系ステンレスSUS430系は、鉄に主要元素のクロムが18%が含まれており、ひと言でいうと磁石がくっつくステンレスのことです。 ちなみに磁石がくっつかないステンレスの代表が、フォークやスプーンでよく使われるオーステナイト系ステンレスSUS304で、クロムの他にニッケルが混ざっています。 実はステンレスと言っても200種類以上あります。 |
他、鉄については別のブログでも紹介していますで、こちらをご覧ください
【紹介ブログ】 |
抜群の蓄熱性
SOTOダッチオーブン全体的に一度熱が回れば、火を止めても保温状態が保たれ、すぐに中の食材の温度は下がらず、ダッチオーブン自体も一定の温度が保っています。
これは、魔法瓶や保温性の高い水筒を思い出してくれたらイメージがつきやすく、ステンレスは熱伝導は低く蓄熱性が高い特性を持っています。そのため、ある程度火が通った食材であれば火を止めてもある程度煮込むことができます。
注意点としては、鉄の素材よりも熱伝導が低いため、一度冷めた煮物を火をつけてそのまま放置するとダッチオーブンの底を焦がす原因にもなりますので注意してください。
IHクッキングヒーターが使用できる
SUS430系は磁石がつく特性がありますので、IHクッキングヒーターにも使用できます。
【IHとは】
IHはInduction Heating (インダクションヒーティング) の略で、日本語では「電磁誘導加熱」と言います。 IHクッキングヒーターの場合、ガラストップ下に組み込まれているIHコイル(高周波交流電力により磁界を発生)から発生した磁力線により、鍋底の金属内に多くの電流(うず電流)が流れます。金属は電気を流したくないという抵抗(電気抵抗)を起こすことによりその摩擦から熱(ジュール熱)が発生され、鍋が熱くなる仕組みです。 |
IHクッキングヒーターは通常電気抵抗の大きい素材である鉄を多く用いられていますので、銅やアルミなど電気抵抗が小さい素材は使えません(最近では使えるIHも出てきました)。
ステンレスの場合、磁石がつかないオーステナイト系ステンレスSUS304は電気抵抗が小さく、磁石がつくSUS430 系は鉄と同様に電気抵抗が大きいため使用できるということになります。
ちなみに通常のダッチオーブンは鋳鉄ですので、当然使用できます。
普段使いに利用できる
年間何十回も行くキャンパーならともかく、年数回行く程度ならキャンプ以外でも使えるのはとても魅力的です。
我が家の場合、よく作るメニューとして、カレー、鍋物、ポトフ、豚汁など汁物が多いですが、つまみ用の燻製も作ります。
家庭のキッチンでは下からしか発熱できないため、オーブンとしての利用は難しいです(庭やベランダで炭を使える環境であれば別ですが)。
ただし、保温性は抜群の為、例えば鍋物の場合、一度出来上がれば1時間程度の食事は、終わるころまで熱いままですので、カセットコンロの必要はありません。ただし、途中から食材と足す場合は火入れをしなくてはいけませんのでご注意を。
またサイズがイマイチわからないかもしれませんので、我が家の12インチを使ってカレーを作った場合を例にします。
カレーをいっぱいに作った場合の例
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この量分作れます。5人家族(大人2人子供3人)では4~5日分食べられます。
ちなみに鍋物も同じイメージですので、正直、12インチでは大きすぎるかもしれません。
デメリット
実はデメリットもあります。
【デメリット】
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値段が高い
値段が高いのは、それだけの品質と技術を要していますので、デメリットというかどうかですが、ダッチオーブンにこだわらない人には高く感じるかもしれません。
焚火を使用すると真っ黒になる
焚火をするとススで真っ黒になります。
鋳鉄の場合は、もともと真っ黒なので気になりませんが、SOTOはステンレスなのでとても目立ってしまいます。
また、その状態まま家で使用するとキッチン中ススだらけになりますので、キャンプでの使用後に家で使うときは洗って、ある程度ススを落としてから使用したほうが良いです。
焦がすことがある
これは先ほどステンレスの特性にもありますが、熱伝導率が低いので、しっかりステンレスに加熱しないと食材がくっついて、焦がすことがあります。
最近のフライパンはフッ素樹脂加工を施したアルミニウム合金が多く、熱伝導が高い為、空焚きして熱を加えすぎると樹脂が傷みやすいこともあり、あまり熱っさずに使用していますが、ステンレスの場合は熱伝導が低い為しっかり空焚きをしてから熱を加えないと食材がくっついて焦がす原因になります。
食材がくっついて焦がすのは、金属が充分に熱していないことが原因です。
あふれることがある
形状が似ているため無水鍋や圧力鍋と勘違いされます。
※ステンレスダッチオーブンは、本体とフタの間に多少のガタツキがあります。 これは、本体とフタの熱による伸縮に違いがあり、スムーズな開閉を保つために 設けています。12インチは他サイズに比べ、ガタツキはややおおきくなります。
出典:新富士バーナー株式会社公式ホームページより引用
この公式ホームページからもわかるように、フタと本体の開閉の為にあえて隙間を作っています。
ですので、当然食材が沸騰するとあふれる危険性があることは理解する必要があります。
冷めにくい
蓄熱性が高い特性を逆の方向から見るとデメリットになります。
なかなか冷めないため、作った料理が腐る危険性が出てきます。保温性が高いといつまでもダッチオーブン内は温かい状態ですので、それが長時間続くと、菌が繁殖しやすい環境下となり、腐りやすくなります。特に一番危険な時期は夏場です。
この対処法として、冬場であれば、ダッチオーブンを夜間、外のベランダへ置いておけば朝には冷え冷えになっています。ただし、カラスや猫の危険性もありますので注意が必要ですが、ダッチオーブン自体から中の食材の匂いを発しませんので気付かれることはありません。できれば庭よりはベランダの方が良いです。
また夏場の場合では、外においても冷めにくいので、保冷剤を上下に置いて、ある程度冷めたら冷蔵庫へ置いておきます。
どちらも、食事後すぐに対処すれば食材を腐らせることはありません。
SOTOステンレスダッチオーブンの紹介
ここで、ダッチオーブンに上に炭を置いたときに持ち上げるリフターや持ち運びに便利な収納ケースのセットを紹介します。
併せてサイズも記載していますが、簡単にイメージすると8インチは3人用、10インチは4人用、12インチは5~6人用と思っていただけるとわかりやすいです。
10インチ
【仕様】
- 本体サイズ:内径=直径25.9×深さ11.5㎝/外形=幅36.5×奥行28×高さ16㎝
- 重量:約5.0㎏
- 満水容量:約4.8ℓ
- 4人用
※公式HPより
8インチ
【仕様】
- 本体サイズ:内径=直径20.6×深さ9㎝/外形=幅31×奥行22.6×高さ12.5㎝
- 重量:3.5㎏
- 満水容量:約2.6ℓ
- 3人用
※公式HPより
12インチ
【仕様】
- 本体サイズ:内径=直径30.6×深さ13㎝/外形=幅41.5×奥行32.6×高さ16.5㎝
- 重量:約6.9㎏
- 満水容量:約8.2ℓ
- 5~6人用
※公式HPより
10インチハーフ
【仕様】
- 本体サイズ:外形=幅32×奥行27.5×高さ12.4㎝
- 重量:約5.3㎏
- 満水容量:約3.5ℓ
※公式HPより
まとめ
いかがでしたでしょうか。ダッチオーブンはキャンプのいちマニア向けではなく、誰でもどんな料理でも普段使いが出来て、初めてダッチオーブンの良さを実感できます。
特にSOTOのステンレスダッチオーブンはメンテナンスフリーでサビに強く、作り置きができます。
ダッチオーブンはキャンプ以外は押し入れにしまっておくものではありません。
我が家のダッチオーブンはそうですが、普通の鍋と同じ場所に置いて、いつでもすぐに取り出せるため、年間の半分以上を使用しています。
皆さんもダッチオーブンがもつ本来の万能さをぜひ実感してみて下さい。
最後に、キャンプ初心者がどんなグッツをそろえればよいかわかりやすく紹介してくれる「Amazonキャンプ初心者ストア」をご覧ください。
それではまた!
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